ガラスとミラー吉村雄史 神戸芸術工科大学 環境・建築デザイン学科 4年
【講評】ガラスも鏡も、割れると、それまであった距離感や奥行きがなくなる、という指摘が、画面の左側半分を使って語られていますが、正直、ぼくにはこれがよく理解できませんでした。だからなのだと思いますけれど、画面の右側半分いっぱいに描かれた絵に添えられた、「ガラスのようなミラーのような、距離も見え方も、フラットな状態の建築」というキャプション、これもぼくには理解不能です。しかし、この課題は、「言葉から建築へ」ではありませんので、そういうことには、いっさい目をつむりました。そのくらい、画面の右側半分いっぱいに描かれたドローイングが、おもしろかったのです。事物が太く不器用な輪郭線で描かれています。その線がかすれています。それから、それら図像と無関係に、これまたかすれたひび割れの線がかぶさっています。実に変な絵です。ガラスと鏡の話が、作者の頭のなかで科学反応を起こして、このドローイングが生まれたのでしょう。作者が、ガラスと鏡の話を展開するのではなく、このドローイングから出発して、その世界観を建築にもっていってくれることを期待しています。(青木淳)
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